ひねもすのたり

読書レビューです。あくまで一個人の感想として読んでいただけたら幸いです。

十角館の殺人/綾辻行人

はじめまして。ブログ初投稿の初心者です。

初めてのレビューは、私の敬愛してやまないミステリ作家、綾辻行人さんのデビュー作、十角館の殺人でいこうと思います。

 

出来るだけ気をつけてはいますが、初心者故、ネタバレや分かりにくい文章もあると思われますが、温かい目で見ていただけたら幸いです。

 

元々、私はミステリ好きだったのですが、この本に出会った時は衝撃が走りました。

密室、殺人、探偵......本格ミステリに必要な三要素を全て満たしておきながら、舞台は現代なのです!

密室、殺人くらいまでは、ミステリの定番ですし、書かれている作家さんも多いのですが、「探偵」役を現代社会で作り出すのはなかなかに難しい事だと思います。故に、警察が舞台になったり、無理矢理探偵を作ろうとしてライトノベルチックになったり....(あくまで私の読んだり聞いたりした範囲の個人的見解です)。

だからこそ、繰り返すようですが、密室、殺人、探偵を上手く現代に織り込んだこの作品は、ミステリ好きの私の理想とも言えたわけです。

 

本作は、十角形の奇妙な館が建つ孤島、角島を大学ミステリ研の7人が訪れるところから始まります。四方を断崖絶壁に囲まれたこの島は、小型漁船がやっと横づけできる程度で、二十年ほど前、青屋敷なるものを建てて移り住んだ人物がいたが、現在は再び無人島になっています。島には電話も通っていません。つまり、「密室」というわけです。

7人はこの島に一週間の滞在予定で、その目的は、青屋敷を建て、この地に住んでいた建築家の中村青司が半年前に炎上した青屋敷で焼死したという事件の、有り体に言ってしまえば現場見物でした。

そして三日目、遂に事件は起こるのです。

この作品は、島(ミステリ研の7人)と本土(元ミステリ研の江南と守須、青司の弟の友人島田)が同時進行で語られていて、つまり島で明かされていく謎と本土で明かされていく謎を読者は同時に読めるわけです。

 

予想を裏切り続ける展開にどんどん熱中すること間違いなしです。これでも私はミステリをそこそこ読んできて、ある程度の予想を立てながら読み進めて行くタイプなのですが、もう、びっくりするほど予想を良い意味で裏切られます。無理のない、しかし斬新な仕掛けには驚かされました。

まだまだファン歴の浅い私が言うのも何ですが、綾辻先生はじわじわと謎解きをし、最後にトントン解説していく傾向があるように思われます。私は堪え性のないタイプなので結構好きな書き方でした(笑)

 

因みに、ネタバレになってしまうかもしれませんが、この「中村青司」と「島田潔」、これに続く「館シリーズ」でなかなか重要な位置を占めてきます。

と、ここまで書いてきましたが、万年金欠の私はまだ館シリーズを読み切っておらず....。早く読み切りたいと思います。

 

如何でしたでしょうか。

人に口伝えでお勧めすることはあっても、こうやってちゃんと文章のしたのは初めてで、とても難しかったです。

ご指摘があれば遠慮なくコメントお願いします。

ここまで私の拙文を読んで下さってありがとうございました。